運動が得意な子の特徴と乳幼児期からの取り組みと学習への関係性
運動が好きな子の特徴と乳幼児期からの取り組みと学習への関係性
今回に記事では子どもの運動能力の実態と学習との繋がりについて書いてみたいと思います。
まず・・・なぜ運動との関係が気になったのかというと。
確かに様々な研究から、運動と学習は比例の関係にあるとされる文献見かけたから。
それでも、そうでない子もたくさんいる。
スポーツ選手などを見ていても、絶対的な感じではない気がして
本当のところはどうなんだろう。
と想いながら過ごしてきました。
ただ・・・我が子に至っては良いとされることはやって損でない限り
取り組みをすると決めてきましたが、
自分の目で確認するまではなかなか信用できない私ですので、実証までにすっかり時間がかかってしまいました。
教室で気になった行動と運動の関係
長年、幼児教室を主催し15年。始めは0~3歳までの入園準備クラスが中心でした。
ベビーマッサージ
ベビーサイン
リトミック
知育遊び
造形遊び
次第に、卒業生から3歳以降、今までの取り組みがほとんど消えていってしまっている事実を知ります。
もったいない。もったいない。
一番大変な時期に頑張ってきたのにどうしたらいいんだろう。
そんな想いで年少~小3クラスまで開講し始めたのが2013年
そのころ、同時に灘や開成中学を目指す子どもたちの通う
有名な幼児教室のベビークラスも担当させてもらえることになりました。
すると徐々に子どもの「できない」には共通点があることに気が付きます。
そのあたりをまとめていきたいと思っています。
小学生の子どものちょっと気になること
◆鉛筆の持ち方が気になる
◆折り紙が一人で折ることができない
◆問題の意味がなかなか理解できない
◆よく似た問題への応用力に欠ける
どうしてだろう。
何が違うのだろう。
成長発達においては、見たところちょっとした違いのはずなのに、活動にこんなに大きな違いがみられるのは・・・
なんで?
どうして?
どうしたら・・・
観察を続け気づいたことがあったのです。
(文部科学書のHP参照)
子どもの体力の低下について
文部科学省の調査によると・・・
子どもの体力の現状と将来への影響について
- 子どもの体力・運動能力は、昭和60年ごろから現在まで低下傾向が続いている。また、運動する子どもとしない子どもの二極化の傾向が指摘されている。
- 体を思うとおりに動かす能力の低下が指摘されている。
- 肥満傾向の子どもの割合が増加しており、高血圧や高脂血症、将来の生活習慣病につながるおそれがある。
- 体力の低下は、子どもが豊かな人間性や自ら学び自ら考える力といった「生きる力」を身に付ける上で悪影響を及ぼし、創造性、人間性豊かな人材の育成を妨げるなど、社会全体にとっても無視できない問題である。このように発表しています。
運動する子どもとしない子どもの二極化の傾向
運動能力が低下を辿っている中で、実は運動能力が高い子も増えているのです。
部活やスポーツクラブに所属して運動をよくする子とそうでない子の差が開くという二極化を指摘しています。
体格の向上
一方で、身長、体重など子どもの体格は向上しており、文部科学省が毎年実施している「学校保健統計調査」によると、現在は身長も体重もほぼ伸びが止まっているものの、平成13年と親の世代である昭和46年(30年前)と比較すると、体格が向上しているにもかかわらず、体力・運動能力が低下していることは、体力の低下が深刻な状況であることを示している。
2.身体を操作する能力の低下
- 体を自分の意志で動かす行為は、神経系をはじめとする体の発達に伴って、高度なものになってくる。
しかし、近年では、子どもが靴のひもを結べない、スキップができないなど、
体を上手にコントロールできない、あるいはリズムをとって体を動かすことができないといった、
身体を操作する能力の低下が指摘されている。
このように文部科学省のHPに記載されています。
実際に、教室で見てきた結果
身体をコントロールできないとどうなるか。
幼児期でみられる様子
折り紙が折れない。
鉛筆で綺麗な字が書けない。
指先発達の活動で縫い刺しやピンセットなどをうまく使えない
こんな様子が見られます。
すると・・・
この差を埋めるために、すでに本人が苦手だと認識してしまった後に
まるで修行のように取り組みをしていかないと差は縮まらない。
他の活動でなんとか・・・とも考えてブロックや
知育的に良いと言われている玩具で取り組みをしても・・・
折り紙が折れるようにはならないのです。
小学生で見られる様子
漢字が上手に書けない
定規やうまく使えない
コンパスなどももちろんうまく使えない
始めて使うのだから仕方がない・・・のか?
家庭の活動が違うことで、初めて使用するものだから
仕方がないのか・・・
そんな想いも浮かんでくる。
しかし・・・
同じ初めて触れる子でも差が出るのです。
身体をうまく操作する能力に長けていると
取り組んだ結果、自分で軌道修正し
すぐにコツを掴むことができる。
要は初めてだとしても結果は同じではない。
身体をうまく使える子たちにとって
〇〇はやったことがない!!
そんなことはそれほど関係がないのです。
健康面についてもこうも記載されています。(以下抜粋)
1.子ども自身への影響
体力は、人間の活動の源であり、健康の維持のほか意欲や気力といった精神面の充実に大きくかかわっており、豊かな人間性や自ら学び自ら考える力といった「生きる力」の重要な要素となるものである。したがって、運動不足や不適切な生活習慣は、単に運動面にとどまらず、肥満や生活習慣病などの健康面、意欲や気力の低下といった精神面など、子どもが「生きる力」を身に付ける上で悪影響を及ぼす。また、体力の低下により、ますます体を動かさなくなり、一層の体力低下を招くといった悪循環に陥ることとなる。
健康面と合わせて、意欲や気力の低下といった精神面など
「生きる力」にも大きな影響を及ぼす。
心と身体は繋がっている。
そんな言葉は良く聞きますよね。
運動をすることでストレスに対する抵抗力アップも考えられます。
ちょっと出来ない事くらいでは、投げ出しません。
何度も何度もチャレンジします。
またうまく行くイメージが頭の中でできているので
そのイメージを身体で再現していくだけなのです。
そういった意味においても、幼児期に運動面を育てておくこと。
これは・・・
ある程度の年齢で「できないこと」に繋がった時に
自分はできないんだ・・・と自信を無くしてしまうのか。
「今はできないけど、こうやったらうまく行くような気がする」と
やる気を失うことなくチャレンジするのか。
どうしても小学生になると、自分自身の位置を知ってしまう機会が増えます。
その時に・・・
どう捉えるのか。
ベビーサインなどで言語などにおいて2~3歳の時期にIQが高くなるという研究結果が出てきましたが、
その高い発達状況は一生続くわけではないと言われています。
あくまでも発達指数であるから・・・
ただし・・・8歳までは継続して続いていく
8歳と言えば、小学1~2年生になることまで続く
そんなころには自分の好きや嫌い
得意や苦手をしりつつある歳
本人が「できる」を認識するには十分な年齢であり、
期間ではないかと私は思うのです。
乳幼児期の運動のススメ
身体を操作する能力が育ち、器用な子に育つ
着替えなど生活習慣も楽に身に付く
感覚的な動きを身体で覚えていることで、ある程度の見当をつけて行動することができる
器用な身体を使い、折り紙や定規などの道具をうまく扱える
折り紙など工作的な活動も器用にこなし、空間認識などが身に付く
先を見通す力などの発達により、賢く生き抜く基礎作りになる
粘り強く取り組むことができる
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いいこと尽くし
運動を好きにさせるためのポイント
・乳幼児からの親子の取り組みがカギ
大好きなお母さんと一緒に遊ぶことで大胆な動きにも次第に慣れていく
・小さな成功体験を積み重ねていく
お母さんの価値判断ではなく、少しでも「できた」部分を見るようにしていく。
例え、できていないとしても子どもに「できた」と思いこませる
・とにかく遊んでひたすら走る
幼児期の運動能力を見るときに明らかな違いは走る姿!!
しっかりと指先を使って地面を踏みしめているのか。
そのためにも走るがおススメ。サーキットのように、ジャングルジムから滑り台まで・・・なんてゲームのように取り組みを楽しんでみて
・道具を使った遊びをふんだんに取り入れる
ボール投げ、ボール蹴り、ラケット、縄跳び、トランポリン、鉄棒・・・
100均グッズでの色々揃うので、見てみてくださいね。
身体能力をあげるというよりは、感覚的な能力を高めていく
身体を動かすこと
どんなことでもいいのです。
自分の身体を自分で扱うことを目指していきます。
伝承遊びなども役に立ちます。
我が家が幼児期から小学校低学年までに実際に取り入れた例を参考までに・・・
教室に行ったり習ったものではなく、あくまでも独自での活動だけを書き出します。
覚えている限り・・・笑
あとはドッジビーや
バトミントンとか・・・かな・・・?
何かのご家庭の遊びの参考になれば嬉しいです。